木曜の腐女子 その2  

「始まりは『風と木の詩』」

img_1922個性の強い他の曜日のママに比べると、取り立てて特徴のない私ですが、タイトル通り、腐女子ではあります。私が腐女子になったのは結構遅く、大学生になってからです。今から30年近く前で、もちろん腐女子なんて言葉はなかったし、私もそんなものが存在することすら知りませんでした。

当時仲の良かった友達が漫画好きで、彼女の部屋の押入れには物凄い量の漫画がありました。遊びに行く度私は押入れを漁っては面白そうな漫画を借りていたのですが、どちらかというと彼女は少年漫画好きで、普通の少女漫画が好きだった私とはそれほど趣味が合わなかったので、借りたい本もやがてなくなってしまい「私が読みそうな漫画ってもうないの?」と聞いた私に彼女が出して来てくれたのが、竹宮恵子『風と木の詩』でした。

少年愛を描いた名作ですが、当時ですら既に発行されて結構経っていたし、パッと絵柄を見るといかにも古臭く感じられてあまり読む気も起きなかったものの、友達が絶対面白いからと全巻出して来てくれたので、せっかくだから持って帰るかと渋々借りて行ったのです。だからすぐに読んだわけでもなく暫く放置していたのですが、ある晩暇だったので、そういえばあれをちょっと読んでみようと大した期待もなくページを開いてみた。すると、いきなり最初から少年同士の濡れ場で始まって、なんじゃこりゃ!?と思いつつもグイグイ引き込まれ、途中でやめることなど不可能、徹夜でいっきに読んで、薄幸の美少年ジルベールに涙涙の放心状態となったのでした。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-12-21-0-40-52すぐに友達に「凄く面白かった!他にああいうのないの?」と勢い込んで尋ねた私に、「こんなのもあるけど…」と出して来てくれたのが「JUNE」、男同士の恋愛ばかりで埋め尽くされた雑誌でした。またしても、なんじゃこりゃあ!? というカルチャーショックです。その「JUNE」で中心的存在だった栗本薫のミステリー小説は好きでよく読んでいたのですが、「真夜中の天使」や「翼あるもの」といった少年愛小説を書いていたなどということはちっとも知らなかったので、それらを読んでまたまたショック。栗本先生すごい! と夢中になりました。

なぜそれほど夢中になったのかと考えると、ありえないほど綺麗な男の子たちの報われない愛(当時はハッピーエンドよりも悲劇的に終わるものが多かった)というものに、途轍もないロマンとエロスを感じたからだと思います。

その頃は、BL漫画や小説が溢れている今とは違ってそういうものを見つけるのは至難の技でしたが、それからは必死に探すようになりました。腐女子生活の始まりです。まさかそれがこれほど私の人生に影響してくるとは思ってもいませんでしたが……。

真紀ママ(木曜担当)一男一女を持つノンケの主婦。にして重度の腐女子で、こよなくボーイズラブ作品を愛好している。性格もおおらかで、ドジっ子なキャラが、ゲイのお客様にも、ノンケのお客様にも大いに愛されている。声優の緑川光の大ファンで、彼の追っかけで、週末は神出鬼没! 高知出身。twitter/@mm_elaine

kaisen