「二丁目寺の坊主日記」13

「亜人ちゃんは語りたいを語りたい」

アデイの月曜担当、本多清寛です。

最近、漫画が原作でアニメになった「亜人(デミ)ちゃんは語りたい」を語ってみようかと思います。これもAmazonプライムビデオで見ることができます!

初めて絵柄を見たときは、よくある萌えアニメなのかと思ってました。とくに見る気もなかったのですが、ちらっと見た感想に「亜人は社会的マイノリティのメタファーだと思う」という書き込みがあり、ちょっと気になって見始めました。

物語はとある高校。この世界では、かつて妖怪や怪物として怖れられていた「亜人」たちが、実は突然変異で起きた人間の個性だと考えられています。亜人たちは、社会の枠組みでも受け入れられています。例えば、バンパイアと呼ばれる亜人は、国から血液の支給があったり、催淫の力を持つサキュバスだと、事件を起こしやすいので警察からマークされていたりします。他の亜人でも、生活に支障が出る特徴があれば、国が保証をしてくれる社会となっています。そんな社会のとある高校で思春期を過ごす亜人たちの日常を描いたのが「亜人(デミ)ちゃんは語りたい」です。

基本的には、亜人女子高生たちの日常をかわいく描く学園コメディなのですが、時にはシリアスな回や考えさせられる回もあります。僕の好きなエピソードに、陰口を叩かれている女の子を友達の子が助けるというお話があります。第三話から第四話にかけての話です。

雪女の性質を持つ雪ちゃんが、同級生を避けて生活をしていて、その様子を見た女子二人組が陰口を叩きます。

「あの、雪女の子、調子のってるよねー」

「そうそう、男子に誘われてもすぐ断ってるし。何?アイドルのつもりなの?ww」

この二人はただの世間話をしているだけなのですが、それを聞いてしまった雪ちゃんはとても傷つきます。雪女の性質がみんなを傷つけないように避けていたのに、まさか悪く言われていると思ってもみなかったのでした。

雪ちゃんのもつ性質は、緊張すると冷気が出たり、冷や汗が氷に変わるというものでした。それ以上でも以下でもありません。しかし、その冷気が人を傷つけてしまうかと思って、付き合いを避けてしまったのでした。そのせいで、陰口を叩かれてしまったのです。本当は陰口が悪いだけなのですが、雪ちゃんは人付き合いを避けてしまった自分のせいにしてしまいます。

普通なら、陰口を叩く人を断罪したくなるでしょうし、私は悪くない!と叫びたくもなるでしょう。しかし、雪ちゃんは自分を責めてしまう性分なのです。自分自身の見方が、自分と他人とで大きく違うことによる苦しみがここにあります。これは他人に見えづらいからこそ起きてしまう悩みの一つだと感じます。

「亜人ちゃんは語りたい」では、雪ちゃんのように分かりづらい性質から、見ただけで分かる特徴を持つ女の子もいます。そういった様々な亜人達が、自分たちの個性に向き合って行く様子を見るのが毎週の楽しみになっています。

ヤングマガジンサードという月刊誌でも絶賛連載中ですので、興味がある方は漫画も見てみてくださいね!

 

本多清寛(しょうかん)和尚。(月曜担当)

1985年生まれ。熊本出身。お寺に生まれお寺に育つ。22歳の時、福井県の永平寺という山奥の修行寺で3年過ごす。修行仲間には相当な迷惑をかけ続けて山を下りる。その後、曹洞宗の研究センターにて仏教を学ぶ。同性婚の問題から、仏教と「性」について気になり、セクシュアリティについて勉強し始めた。生活に役立つ仏さまを模索している。趣味は「こんな時、お釈迦様ならなんて言う?」という大喜利。

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