木曜の腐女子 16

「腐界」の片隅に生息する

 

この文のタイトルにもあるように、私が腐女子ということを言いふらしているせいか、時々お店に腐女子のお客様も来てくださいます。初めていらっしゃったお客様から「私も腐女子なので、腐女子の人がママだというので来たんです。」と伺うと、普段は家族から虐げられつつお金も時間も気持ちも費やしているだけで全く実りのないと思われる腐女子であることも、たまには役に立ったと喜ぶのですが、その反面せっかく来てくださったのに、楽しんでいただけるだろうかと心配もします。

というのも、これだけおおっぴらに腐女子だと吹聴しているわりに、私は同人界のことも全然知らないし、以前はあれほど読んでいた商業誌も殆ど読まなくなっているし、腐女子が夢中になっているアニメも見ていないし……というような状態だからです。

そもそも腐女子といっても様々で、一昔前と違っていまやジャンルが多岐に渡っているので、なかなか同じものにハマっている人とは出会えません。特に私などは近頃腐界の端っこの隙間のようなところにハマってしまい、同好の士を見つけることもなかなか困難な上に、元々私の腐的な心は非常に狭く針の穴ほどしかない為、最近はもっぱらひっそりと己れの頭の中だけで腐活動を繰り広げるのみで、腐女子としては相当に孤独です。

それでもこうして腐女子だと公言できて、少ないながらも腐女子の友達もでき、わざわざお店まで足を運んでくださるお客様までいるというのは、私が腐女子になりたての30年くらい前から比べるとかなり幸せだと感じます。そもそも私が二丁目に頻繁に通うようになったのも、二丁目に飲みに出た最初の頃に知り合ったお店のママが腐男子だったからです。先にそのお店に通っていた夫が、そこのママが私が読んでるのと同じようなマンガを読んでるってよ、と教えて連れて行ってくれたのが始まりでした。

そのママは私より年下でしたが結構なオタクで、ざっくばらんにいろいろなことを教えてくれました。まだ高知から東京に出て来て間もなかった私には東京の人はよそよそしいというイメージがあったので、彼のあけっぴろげな態度に驚きました。それに私はやはり二丁目では部外者だという気持ちもあって尻込みしていたのですが、彼があまりに飾らず率直だったので、私もすぐに心を開くことができました。BLやマンガに全く興味のない夫には一緒に見えたかもしれませんが、彼と私の趣味は結構ズレていたものの、そんなことは関係なく、私たちは友達になりました。

あれから随分経って、まさか自分が二丁目でママをやっているなんて想像もつかなかった今ですが、あの時おずおずと二丁目のお店のドアを開けた私を明るく迎え入れてくれた彼のようにできればいいなあといつも思っています。

 

真紀ママ(A Day In The Life 木曜担当) 

twitter/@mm_elaine

一男一女を持つノンケの主婦。にして重度の腐女子で、こよなくボーイズラブ作品を愛好している。

性格はおおらかで、ドジっ子なキャラが、ゲイのお客様にも、ノンケのお客様にも大いに愛されている。声優の緑川光の大ファン。彼の追っかけで、週末は神出鬼没! 高知出身。