パヨクのための映画批評 12

黒船が来ちゃった!~「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」(”Indiana Jones and the Temple of Doom”、アメリカ、1984年)

パヨク映画評論のおかげで何かが覚醒した私は、「ありの~ままの~・・・見せるのよ~」ってあの訳詞ものすごい歪曲された翻訳なんだけど、そういう歌を歌いながら階段駆け上りたいくらい元気です。治らないものは治らない。そう、私が同性愛者なことも、ハリウッドを死ぬほど愛してることもそう、実は目立ちたがり屋の福岡県気質なことも、治そうとしても無理! 共に生きて行く。Living together。

今回は、そんな私が初めて「ハリウッドの男性」を意識した作品であり、米帝国主義の王道ストーリーをなぞったスピルバーグ&ルーカス・コンビの名作,、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」についてお話します。

ポリ・コレの現代から見ると、これが大ヒットしたとは思えないようなひどい内容ですよ。インドに対して超失礼。ところが面白いのはね、今も当時も、それを観ても「サベツ」って感じないことなんです。パヨクもね、ハリウッドには勝てなかった。

本作、パヨク必読書(いつの間にか私の中で位が上がってるわ)『ドナルド・ダックを読む』でも指摘されているモチーフ「財宝求めて自然いっぱいの途上国に出て行く→現地の悪者が財宝奪っている→現地の善なる純朴で平和な人々のために戦う→財宝を取り返しヒーローに→ご褒美もらって帰る→豊かなアメリカに帰り、安堵する」が完璧になぞられています。このシリーズが「冒険活劇を復活させた」と評価されたのも、このモチーフが、ディズニーのみならず20世紀のアメリカ人にとっての心の物語だったからでしょう。

本作の「お宝」は現地のパワーの源だったのでさすがに持って帰るのは止めた・・・と記憶してるけど実は何か持って帰ってるはず。そうでなくとも、「現地の人に崇められる」というお土産は、思想教化という側面で非常に重要です。

インディの冒険を現地の側から見れば、「黒船が来た!」状態。現地内部の対立を単純化し、アメリカ的常識の延長上に解釈し直してしまうのがこのモチーフのキモであり、お話をアメリカの人にとって面白く、分かりやすくする仕掛けなのです。このモチーフは、『菊と刀』みたいな名著にさえありありと感じられます。

ちなみに、オバマ期のアメリカでは『クレイジー・ライク・アメリカ 心の病はいかに輸出されたか』(2013年)という本が出版されました。上記のモチーフの物語を完全に否定する内容のルポなのですが、アメリカの「理想の物語」の地位の座を巡る争いの行方はどうなるのかしらね。日本のことも検証したい。

でね、私も私で、「黒船」にびっくりしたの。これ、懐かしの金曜ロードショーで観たのね(!!戦後、日本に洋画を紹介した人ってほとんど同性愛者だったんじゃ…ゴゴゴゴ)。小学生だったわ。本作ね、このシリーズの中でも異例なほどに、インディ=ハリソン・フォード様が脱ぐのよ!  後ねもう一つあるんだけど、一瞬悪のパワーに支配されちゃうの。その2つの要素に・・・私、今思えば、すごい興奮してたんですね。ドキドキして、何日も頭の中に残っていたんです。それは、「弱虫の自分に無い「強さ」に憧れる」気持ち…だと錯覚してました。私にもその後の人生を一変させる黒船来てたのよ:①マッチョな白人男性、②ハリウッド映画のヨロコビ、③ヒーローがヤられる、の三種の神器が。

なのに、当時既に私の頭はパヨク化が進行しており、この映画観た2年後くらいには、担任の先生の紅衛兵として、「給食を残すなんて許さない」運動に加担してました。既にもうこの時点で政治やってたんですね。もちろん私はクラスメイトに「何か役に立ってることある?」と言われるほどに嫌われました。

でも、恐らく・・・担任の男性の先生が好きだったんでしょうね。家に電話したりしてましたし(怖いよ、無自覚のあんたって)。愛のためだったの・・・給食残さない運動は・・・ってざけんな。給食のトラウマ抱えてる日本人一人一人に土下座して謝れ。贖罪の旅路は長く険しいぞ…びゅおおおおおお

黒船も、私の心のベルリンの壁は壊してくれなかった。でも、外専のゲイに成り果て、英会話まで体得し、こうして映画評を書くところまで連れて来てくれたんだから、まあいいか。

皆さんも、心に黒船が来たら、乗っかってしまうしか道は無いわ。日本はそうやって来たんだもの。あのお方のお力にひれ伏すがよい・・・とすっかり米帝に憑かれた偽パヨクな私だよ。

 

執筆者・竹美

ほぼカムアウト状態の会社員。九州のパヨクな家庭に育ち、パヨク思想に染まっていることに無自覚なまま二十歳を迎え、周囲の同級生が順当に就職活動を開始した頃、全然やる気になれず焦って大学院へ逃亡。それが、「企業=金儲け=巨悪」だと信仰していたためだと自覚したのはその10年後。「思想転向」のリハビリ過程で、「真っ先に悪を告発する紅衛兵」の素養を小学生位のときに発揮して同級生にウザがられていた記憶もフラッシュバック。

このコーナーでは、映画を通じて「私やあなたというパヨク」の滑稽で哀しく、正しくて誤っている物語を発見していきたい。