あっきー★らっきー水曜日 その4

「故意かな? YES! 故意じゃない! YES!」

 界隈ではビールかボトルばかり飲むので、「酒に無知」が露呈中の、あっきー★@アデイ水曜です。

 業界のご多分に漏れず、昭和アイドルには目がありません。最近、久しぶりに会った学生時代の友人から、

「そう言えばさ、中森明菜になりたい、って言ってたよね?」

と真顔で告げられ慌てふためいたのですが、そんな願望があったかはさておき、やっぱり青春を共に生きた(と思っている)「花の82年デビュー組」には思い入れがあります。

 中でも、神だった早見優!!

 初めて手にしたレコードは、『誘惑光線クラッ!』で、従兄がこっそり買い与えてくれました。その手のモノを見つければ、「まだ早い!」と取り上げる厳しい親だったので、こっそり取り出しては、「もっとクラクラ Magic light!」と歌詞を追ってました。ミュージカル『グリース』のステージで観た本物の優ちゃんは、オナニーすら知らない少年のアイドル原体験です。

 去年、久しぶりの優ちゃんのアルバムリリースがありました。しかも、イベントやらツアーやらの予定が満載! その昔、新宿コマ劇場にてミュージカル『オズの魔法使い』公演が恒例となっていた優ちゃんですが、劇場裏口で出待ちをしたことがあります。しかし、遠くから「じとー」と眺めるだけで、畏れ多くて、とてもとても声をかけることなどとできませんでした。そんな僕が、意を決し銀座の山野楽器でのリリースイベント(サイン会付き)に参戦したんです。

「大人になったオレを見てくれ。もう、あの時のガキじゃねえんだ」

といった心境で。

 アルバム収録曲の『GET UP』、『夏色のナンシー』など代表曲のニューバージョンや、アン・ルイスのカバー『恋のブギウギトレイン』を披露するライブの後、迎えたサイン会。列に並んでいると、ひとりひとり丁寧に応対している優ちゃん!

「さすがは早見様。目の前に、どんな汚いおっさんが現れたとしても、安定のキープスマイリングだぜ!」

などと、関心することひとしきり。それにしても、1分近く、話をしている強者もいる。困った。果たして、自分にそれだけの尺がある話題があるだろうか? でも、これはまたのない神様がくれたチャンスだ。小学生の頃から育んだ愛の大きさは、誰にも負けないことをアピールしたい(←ちょっとヤバい)。

 頭の中で、話題を探します。そういや、FM横浜の番組『K-POP YU』で優ちゃんにハガキを読まれたことがあったな。でも、その程度のエピソードじゃ目の前にいるピンクの服の親衛隊らしき輩には負けてしまう。やっぱり、「オズの出待ちしてました! 僕はただ遠くから見つめてました」と告白しようか(←かなりヤバい)。

 そして、ついに自分の番が来ました。そこで、人生最大の悲劇が起こります。緊張でテンパっていたので、しばらく呼吸が止まっていたのかもしれません。机でサインを書く優ちゃんを、上から見下ろす形だったせいでしょうか。僕が声を発した瞬間、唾の泡が「ぽとっ」と落ちました。そう、優ちゃんの目の前に。

「終わった……」

 小学生だった自分が知ったら、絶望するでしょう。大好きだった人にまで、唾を吐く大人になってしまった。ああ、生まれてきて、ごめんなさい……。

 しかし、何事もなかったかのように、サインをしながら話しかけてくれる早見様。僕が、「『MOMENTS』というアルバムが一番好きです! 」と決死の形相で言うと、「ホント? 私も!」と返してくれました。ありがとう! やっぱりあなたは女神だ。もっと頑張って、あなたにふさわしい大人になります。どうかそれまで、それまで待っていてくださいね(←相当ヤバい)。

 

あっきー(水曜担当)

【プロフィール】 1975年埼玉生れ。

出版社に16年間勤務し漫画や小説などの編集に携わったのち、なし崩し的にフリーに。NPO法人「企画のたまご屋さん」では、出版プロデューサーを務める。

https://twitter.com/shiruga_man