木曜の腐女子 29

「愛とは、どんなに不細工でも可愛く見えること」

前回の続きになってしまうのですが、そういえば中学校にあがったあたりから、周囲の男子の私に対する風当たりが強くなってきたのを感じだしました。小学校の頃の私はちょっとジャイアン的なところがあって、女子も男子も牛耳っていたのですが、中学生になるとそれまでは私に何も言えなかったような男の子が生意気な口をきくようになってきて、「ブスのくせに偉そうにするな」というようなことを言うようになってきたのです。え、なにそれ!?とビックリしたのですが、周囲が色気づいてきて可愛い女の子をちやほやし始めると、だんだん自分がべつに可愛くもなんともないということがわかってきました。

田舎なので、親や親戚だけでなく、近所の人たちや親や祖父母の友人たちまでもがみんな私を可愛い可愛いと言っていて、それを真に受けていたのが、親バカやお世辞だったことにやっと気がついたのです。おいおい、気づくのが遅すぎやしないか、おまえの家には鏡や美的感覚はないのかという感じですが。しかし、まんまと騙されてた!と思ったものの、親というのは有り難いものだなあという気もしました。だって、特別可愛いくもないのに可愛い可愛いと育ててくれるなんて。

よしながふみの「愛すべき娘たち」という連作漫画が私は彼女の作品の中で一番好きなのですが、そこに美人を鼻にかけた性格の悪い同級生がいた為に、美しい自分の娘がそうならないように必要以上に娘をけなして育てたお母さんが出てきます。我が家の場合はそれと反対だったわけです。

自分の子供が生まれた際、長女の時は無我夢中だったのであまり覚えていないのですが、息子が生まれた時に、初めて顔を見たらあまりに不細工でビックリしました。私は産むまで男の子か女の子かお医者さんに聞いてなかったので、どちらでもいいような中性的なかっこいい名前をあれこれ考えていたのを、これはいかん、名前負けする!と、その時点で全て却下して、結局どんな不細工でも似合うようなよくある普通の日本男子の名前にしました。

しかし「不細工な赤ちゃんだなあ」と言う私に母が「大丈夫大丈夫、この子は大きくなったら男前になる」とやけに自信満々で請けあうのです。今考えれば私の子供の頃と同じでただの身内贔屓でしかないのに、懲りてない私も半信半疑ながら「そうかなあー」なんてちょっとの希望にすがりながら、こんな不細工だからこそ、親くらいは可愛いと思ってあげなきゃね、などと思っていました。それまでは、ちっとも可愛くない不細工な子供をカワイイ〜!なんて言ってる親を、親バカにもほどがあると呆れていたのに、そういう親の気持ちがちょっとはわかるようになった気がしました。親くらいはそう言ってやらねば、不憫ではないか。しかしなんということでしょう。母の言ったように、息子は成長するにつれ本当に可愛いくなってきたのです。醜いアヒルの子みたいだ!ほんとに男前になってきた!と、喜んでいました。

ところが今、その頃の息子の写真を見るとビックリ、まるでパタリロ、つぶれあんまんです。あんなに可愛いと思っていたのは、狐にでも化かされていたんじゃないかと思うくらいに、やっぱり不細工なままなのでした。どんなに不細工でも可愛いく見える、嘘を言っているつもりもなく、無理もしていない、それが愛情というものなのかもしれません。

 

真紀ママ(A Day In The Life 木曜担当) 

twitter/@mm_elaine

一男一女を持つノンケの主婦。にして重度の腐女子で、こよなくボーイズラブ作品を愛好している。性格はおおらかで、ドジっ子なキャラが、ゲイのお客様にも、ノンケのお客様にも大いに愛されている。声優の緑川光の大ファン。彼の追っかけで、週末は神出鬼没! 

高知出身。真紀ママの営業は、築地で働く旦那が仕入れて来る海鮮丼が名物!