「二丁目寺の坊主日記」其の27

「狂気の僧侶達」

ベホマズン!!(回復魔法)

アデイの月曜担当、本多清寛です。

ドラゴンクエストだと僧侶って回復役なんですよ。ということで、遊びすぎた週末の疲れと仕事始めの憂鬱を癒やす寺。二丁目寺でございます。

何に「癒やし」を求めるかは、人によってかなり違うと思うんですが、癒やされると落ち着くという結果はみなさん大体同じですよね。お釈迦様も、けっこうな頻度で落ち着けと仰っているので、僧侶=回復役ってのは割と正確なイメージかもしれないです。

禅宗系だと坐禅で癒やしを、真言系だと護摩焚きで、浄土系だと念仏で、日蓮系だと題目で、それぞれの教えに合った癒やしがあります。

が、

宗祖と呼ばれる、宗派を開いた最初の方々は、癒やしの求めっぷりが半端ではないんです。というか、だいぶ狂っていらっしゃる。現代からみて狂っている当時の情勢の中で、なお狂っているのが宗祖の方々でございます。癒やされたいと定義が今とは違う気もしますが、悟りを求める以上は「究極の落ち着き」を目指していたのは間違いありません。

そんな宗祖達の狂気の一端を感じられるのが「阿・吽」(おかざき真里著,阿吽社監修)という漫画です。もともと、少女漫画の作家さんなのですが、青年誌である『月間!スピリッツ』にて連載されています。とりあえずこの漫画は凄い!

弘法大師空海と伝教大師最澄のダブル主人公で紡がれる、スーパーマイノリティの進む道を描いた漫画です。そもそも、空海さんは狂気の子どもですし、最澄さんはエリート僧侶に違和感を持つ若き秀才という人物像です。どちらも、周囲に馴染めず落ち着かない日々を送るところから始まります。

仏教の開祖であるインド人のお釈迦様も、ずっと抱えている生きづらさの解消を求めて出家しています。しかも、子どもが生まれたのをきっかけに出家しました。現代では人でなしと罵られても過言ではない出家時期です。やっぱり、始める人達は「普通」から見ると狂っているように見えるものなのでしょう。

『阿・吽』では、その狂気を画力で見せつけられます。僕は空海さんが好きなのですが、イメージ通りにぶっ飛んだ空海さんが描写されていて度胆を抜かれました。仏教系漫画はいくつかありますが、僧侶のイメージは落ち着いたいい人というものなので、狂気を突きつけてくる『阿・吽』は驚愕の漫画でした。

仏教に関して、穏やかな牧場のようなイメージをお持ちの方は、是非読んでみて欲しい本です。よければ感想を聞かせて下さい!他にも狂気の僧侶達はいっぱいおられますので、ご紹介いたしますよー。

南無大師遍照金剛

 

本多清寛(しょうかん)和尚。(月曜担当)

1985年生まれ。熊本出身。お寺に生まれお寺に育つ。22歳の時、福井県の永平寺という山奥の修行寺で3年過ごす。修行仲間には相当な迷惑をかけ続けて山を下りる。その後、曹洞宗の研究センターにて仏教を学ぶ。同性婚の問題から、仏教と「性」について気になり、セクシュアリティについて勉強し始めた。生活に役立つ仏さまを模索している。趣味は「こんな時、お釈迦様ならなんて言う?」という大喜利。

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