木曜の腐女子 32

「掃除腐は見た!」

一年位前からアルバイトをしようと考えていて、体を動かす仕事で、しばらくずっと髪を金髪にしていたのでそれでも大丈夫で、私でも雇ってくれそうで興味も湧くところ、と考えるとラブホテルの清掃だと思いつき、勇んで面接を受けたのですがあえなく落ちてしまい、しばらくショックを受けては3ヶ月くらい経つと気を取り直して、今度こそ!と別のホテルにトライしてみるもまたしても落ち……ということを繰り返していました。

あまりに何度も落ちるので、募集広告には誰でも大歓迎と書いてあるし、そう難しい仕事でもなさそうなのに、なぜ私を雇ってくれないんだ、私のどこがいけないの!?と面接した人に問い質したい気持ちでいっぱいになり、こんなに真面目で骨身を惜しまず働く気満々の私を雇わないなんて、なんてみんな見る目がないんだと憤ったり、いややはりそれほど私はダメ人間なんだと嘆いたり……。途中からはお店のお客様に彼氏ができるのと私がラブホテルの面接に受かるのと、どっちが先か競っていました。そして一年以上に渡る数回の面接の末に、ついひと月ほど前にようやく採用となったわけです。私の方が勝ったということで、お客様にはお酒をご馳走して頂きました。

ラブホテル(今はファッションホテルとかブティックホテルとか言うらしいですが)っていうと、客室の喘ぎ声が聞こえたり、ビックリするような忘れ物があったり、何か刺激的な面白いことがあるのではないかというゲスい考えもあったのですが、防音はしっかりしているし、私が働き始めたホテルは明るいカジュアルな雰囲気のせいか、お客様も結構行儀がいい感じで、今のところ拍子抜けするくらい驚くようなことは何もありません。

それよりも驚いたのは、同僚のバイトの人たちの殆どが外国人だということです。何十人もの人たちが働いていますが、そのうち日本人は一割くらいしかいません。ベトナム、インドネシア、中国、台湾……いろんな国の人たちがいて、圧倒的に一番多いのはフィリピン人です。お掃除する部屋が空くまでみんなが詰めている待機室では、賑やかにタガログ語が飛び交っています。

最初のうちは物珍しさも手伝って、面白く感じることばかりで楽しい上に、ずっと家でグータラ過ごしていたのが、動きまわるようになってやはり疲れるのか、働き始めた日からそれまでの宵っ張りの不眠が嘘のように解消して、夜の10時から11時にはバタンキュー、グッスリ眠って早寝早起きになり、健康的な生活まで手に入れられて万々歳だと思っていました。

ところが私ときたら、自分で思っていた以上に覚えが悪く、簡単な業務でもミスの連発!慌て者のおっちょこちょいの本領発揮しすぎて、最初は優しく教えてくれていた先輩たちも、最近は呆れているのではないかと思うと辛いです。私が理解できないのをいいことに、タガログ語で「ちっ、今度入った日本人のババアは使えねえなあ!サッサとやめちまえ!」とか「こんなことも満足にできないなんて、頭大丈夫か?」なんて言ってるのではないかと疑心暗鬼……。いや、みんないい人たちなのでそんなことはないと信じたい!ですが、やはりどんな仕事も、そう簡単なものではありませんね。

そう思うと、A Day In The Lifeで私はなんと恵まれていることでしょう。お客様とただ楽しく過ごしているばかりで、嫌なことなどお客様が誰もいらっしゃらない時以外は殆どありません。木曜日はお店があるのでホテルのバイトはお休みにして貰っているのですが、最近は木曜日が待ち遠しくて仕方ありません。今まで以上にお店の仕事も頑張ろうと思うこの頃です。

 

真紀ママ(A Day In The Life 木曜担当) 

twitter/@mm_elaine

一男一女を持つノンケの主婦。にして重度の腐女子で、こよなくボーイズラブ作品を愛好している。性格はおおらかで、ドジっ子なキャラが、ゲイのお客様にも、ノンケのお客様にも大いに愛されている。声優の緑川光の大ファン。彼の追っかけで、週末は神出鬼没! 

高知出身。真紀ママの営業は、築地で働く旦那が仕入れて来る海鮮丼が名物!