「二丁目寺の坊主日記」29

「LGBTを理解したい僧侶たち」

アデイの月曜担当、本多清寛です。

実は僕、肩書きを三つ持ってます。一つ目は「二丁目寺住職」(アデイの月曜担当)、二つ目は泰陽寺副住職(熊本のお寺)、そして三つ目が曹洞宗曹洞宗総合研究センター委託研究員というものです。どれも禅僧という筋は通っているんですが、やっていることはバラバラです。二丁目寺は基本的にお酒を作って話を聞いたり話したり、副住職はお経を読んでから話を聞いたり話したり、大体同じです(笑)

ただ、三つ目の肩書きは少々毛色が違います。僕は6年間ほどセンターで学ばせて頂きました。具体的には、お釈迦様から始まる仏教の歴史や曹洞宗の基礎といった座学と、それらをどう伝えるかの手法を考える実地研修に分かれています。実地では、幼稚園・保育園での仏教演劇や、カフェやイベントスペースをお借りしてパネル展示とワークショップを用いての出張僧侶企画なんかをやっています(詳しくはこちら→http://www.shojin-project.com/)。

また、センターに在籍する僧侶は、個人で研究テーマを持つことになっています。例えば、高齢者福祉施設に対して何をすべきかを考えてみたり、笑いと布教はどう繋がるかを考えたり、民間信仰の調査なんかもあったりします。僕のテーマは最終的に「性的少数者と僧侶の関わり方」になりました。正直なところ、性的少数者に限定した内容ではないんですが、テーマは絞らないと伝わらないということもあり、苦渋の決断で付けたタイトルでございました。

しかしながら、時代の風というのか、曹洞宗内でもLGBTについて知りたいと考える人達が増えてきたようです。こんな僕ですが、曹洞宗的には先駆者ということになっておりまして、人権学習の講師として呼んで頂く機会がありました。講師といっても、教える立場というより、これから曹洞宗が何をすべきかを判断するための材料として呼ばれた感じです。

その中で一番問題に感じたのが、本音と建て前のバランスでした。例えばゲイは男だらけの修行道場に居てもいいのかという問題。これは差別というより修行のハードルの問題です。ただでさえいろんなことを我慢して修行するのに、性欲の盛り上がりを抑えられるのかどうかということです。

ただ、これって本当はノンケも同じで、観光客が来る大きなお寺で修行していれば女性はたくさん来ますし、妄想に浸って性欲を増長させる人も性欲の盛り上がりを抑えるのは困難です。ですから、性欲が男に向くから修行できないなんてことはないわけです。それは会場の皆さんが共有していました。

しかしながら、男ばかりの場所に行っても良いとも言えない。宗教法人曹洞宗としては「ゲイも修行できます」と言うための公に発表できるロジックを構築しなければならないので、みなさん黙り込んでその日の会議は終わってしまいました。

先日、この話を二丁目寺でしていたら、ある方から「修行道場って性欲を発散させる場所じゃないよね」と言われ、こんな考えが浮かびました。

『性欲が抑えられない奴は修行道場に来ちゃダメ!』

僕は今まで、同性愛を肯定するロジックを考えていたんですが、そもそもセックスを禁止している修行道場に”性愛”を肯定する考えは当てはまりません。それよりも、どんな性的指向を持っていてもいいけども、それを行動に移してはいけないと考えれば、同性愛者であろうが異性愛者であろうが不問です。

僕も含めたLGBTを理解したい僧侶たちの目的は、どうやってLGBTを肯定するのかが基本的な考え方でした。逆にどちらも否定することで差別をなくすというやり方に気がつけたのは、二丁目寺に来て下さる方々のおかげでした。やっぱり現場が一番ですね。

感謝です。

南無アデイの皆々様。合掌。

 

本多清寛(しょうかん)和尚。(月曜担当)

1985年生まれ。熊本出身。お寺に生まれお寺に育つ。22歳の時、福井県の永平寺という山奥の修行寺で3年過ごす。修行仲間には相当な迷惑をかけ続けて山を下りる。その後、曹洞宗の研究センターにて仏教を学ぶ。同性婚の問題から、仏教と「性」について気になり、セクシュアリティについて勉強し始めた。生活に役立つ仏さまを模索している。趣味は「こんな時、お釈迦様ならなんて言う?」という大喜利。

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