木曜の腐女子 34

 

ちょっと前に話題になったハゲ問題ですが、先日お店でも髪の悩みの話になりました。男性はやはり年を取ってくると薄毛やハゲ、女性の場合は白髪が増えてくることに悩まれる方が多いようです。

私自身も近年白髪が急増、しばらく金髪にしていたのも、私は20年以上つきあいのある美容師の人(A Day In The Lifeにも時々飲みに来てくれます)にヘアースタイルもカラーも殆ど丸投げでお任せしているのですが、美容師さんによる白髪隠しです。ちょっと前に好きなお笑い芸人を追いかけて沖縄のライブに行く時に、こんな所にまで金髪ババアが来ているとバレたくないと思って珍しく自己主張して黒髪にしたのですが、美容師さんには「黒くするとちょっとでも髪が伸びてきたら生え際の白髪が目立つから、マメに染めに来ない人にはオススメしませんよー」と渋い顔をされました。案の定しばらく経つと白髪が目立ち始めて、今はまた少し明るい色を入れています。

こんな私でもやはり老けて見られたくはないもので、ちょっとでも若く見せたいという思いはあるものの、根がグータラなのでどうしても不精の方が勝り、最近は更年期でふとした拍子に顔面に汗が吹き出る為化粧もしなくなり、オバサン化というよりオッサン化してきているような気がします。二丁目で綺麗にしているニューハーフやドラァグの人たちを見る度、少しでも見習いたいものだとは思うのですが……。

私が小学生の時に祖母が亡くなり、それまで祖母と一緒に暮らしていた彼女の姉……私にとっては大伯母が、私たち家族と暮らすようになりました。お嬢さん育ちで料理などは一切しなかった人でしたが、綺麗好きで掃除はしょっちゅうしていて、毎日きちんと着物を着て長い髪をきっちり纏め上げていました。

大伯母が我が家に来て数年経ったある日、妹が私に内緒話をするように「お姉ちゃん、おばあちゃんの髪がカツラだって知ってる?」と聞いてきました。そんなこと、私は全然知りません。「だって私見たんだよ、おばあちゃんがカツラを外してるとこ。ほんとだよ。朝おばあちゃんの部屋に行ったら、おばあちゃんが鏡の前でカツラをとって……」と言いかけた妹を私は慌てて遮りました。カツラを外したつるっ禿げの大伯母を想像してなんだか怖くなったからです。「あんたが見てたこと、おばあちゃんは知ってるの?」と妹に聞くと、妹も驚いて声をかけられなかったので大伯母は気づいてないと言います。「そのこと、絶対おばあちゃんに言っちゃダメだからね。今までずっと隠してきたんだから、人に知られたくない筈だから、他の人にも言ったらダメだよ」と私は妹に口止めしました。

それからまた時が経って私が大学の時に大伯母がボケて入院しました。お見舞いに行くと、私のこともよくわからない感じになっていた大伯母は、それまでの纏め髪の定番カツラを外した綺麗な真っ白のショートヘアで別人のようになっていました。おばあちゃん、ハゲてたわけじゃなかったんだ……とその時初めて知りました。ボケているのにその白いショートカットの方がずっと若々しく格好よかったので、なぜ長年に渡りカツラを被っていたのか私には解せませんでしたが、「おばあちゃんは若い頃から髪が白くなっててそれが嫌だったのよ」と母が言って、周囲のみんなは大伯母がカツラだと知っていたのだということも、初めて知りました。よく考えてみれば、年中同じ髪だし、今のようによく出来たカツラでもなかったし、わからないわけなかったのです。

それにしても、一緒に暮らしていた私たちの前でも、夏の暑い時もお風呂から出たあともいっときもカツラを外さなかった大伯母を思うと、人のコンプレックスというのはどこにあるかよくわからないものだなあと今でも切ないような気持ちになります。

 

真紀ママ(A Day In The Life 木曜担当) 

twitter/@mm_elaine

一男一女を持つノンケの主婦。にして重度の腐女子で、こよなくボーイズラブ作品を愛好している。性格はおおらかで、ドジっ子なキャラが、ゲイのお客様にも、ノンケのお客様にも大いに愛されている。声優の緑川光の大ファン。彼の追っかけで、週末は神出鬼没! 

高知出身。真紀ママの営業は、築地で働く旦那が仕入れて来る海鮮丼が名物!