「あっきー★らっきー水曜日」その10

本を出したいあなたへ

 少し前、夏の初めのことですが、雑誌『公募ガイド』で「実は、あなたも本が出せる」という特集がありました。さすがはこのジャンルの老舗雑誌であり、「著者になりたい!」という夢を実現に導くプロセスが徹底的に解説されています。持ち込みの仕方、電子書籍の方法、SNSやブログを書籍化するコツなどの実践的な記事が並び、実際に出版にまでこぎつけた著者の喜びの声も掲載されています。

 この号の特集企画で、「読者から送られてきた実用書の出版企画書にアドバイスする」という仕事をしました。「NPO法人企画のたまご屋さん」と『公募ガイド』のコラボ企画で、出版プロデューサー(僕です!)が、「ここをこう変えたら、出版社に採用されやすいかもよ!」とコメントするものです。応募者は、ただ漠然と「本でも出してえな」と望んでいるだけの人は皆無で、みな何かのジャンルで強みを持ち、それを誰かに伝えたいと願う方々。その熱量はもの凄いのに、どうやれば相手に届くかで悩み、立ち止まってしまうようです。

 例えばですが、長く演劇に携わる人が特技を活かし、「音読の本を出したい!」と思うとします。では、何を音読するか? 古典の戯曲や歌舞伎にするか、現代的な新劇にするか。これを決定すれば、その人の独自性が現れます。加えて、「コミュ障がセリフから対話術を学ぶ本」とか、「ビッチな女優のセリフを発してストレス解消する本」(←自分で書いてて面白そうw)など具体的な切り口があると、さらに良い企画になります。

 出版業界は右肩下がり。悲しいかな、これは本に興味がない人でも知る事実です。手元で調べると、雑誌と書籍を合わせた販売額が2兆円を割ったのは、2009年のこと。このニュースは、業界内部では大きな悲鳴とともに響き渡りました。以来、どんどん売上額は落ちている。一方で、出版される書籍の点数はというと、それほど大きくは落ち込んではいないというデータがあります。つまりは、「ベストセラーが出ないなら、少部数の本をいっぱい出せ」という判断。これって、出版社はずっと出し続けないと利益が上がらないわけで、まさに自転車操業。書店の数も減るばかりで、業界は難儀しています。

 しかししかし、「これは本を出したい人にとってはチャンスでは?」と思うんです。同じく『公募ガイド』によると、「編集者が多忙になり、企画不足に」という現状があるといいます。つまらない企画でも本になるということはないはずですが、出版社や編集者によっては、トントン拍子に出版が決まる例もあります。また、ひとたび話題になると、小刻みながらも重版が続くことも珍しくありません。

 まあ、「出版プロデューサーです!」という肩書きは、なかなか恥ずかしいのですが、ぜひ、秘蔵の出版企画などありましたら、水曜アデイまでお聞かせください。「企画のたまご屋さん」では、厳選された企画を編集者に配信するということもやっています。とはいえ、僕がこのNPOの活動に参加して1年も経たないので、大きな実績はなし。でも、いつかお客様やスタッフから本が出たとしたら、それはとっても楽しいじゃないですか!!

 

あっきー(水曜担当)

【プロフィール】 1975年埼玉生れ。

出版社に16年間勤務し漫画や小説などの編集に携わったのち、

なし崩し的にフリーに。

NPO法人「企画のたまご屋さん」では、出版プロデューサーを務める。

https://twitter.com/shiruga_man