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「変態年増のMixBox」その2

「貝合わせ」をしなければ人生の価値が半減します!

今回は、アデイのグランマである伏見憲明氏も編者であり共著者として名を連ねてらっしゃる『Hの革命』(太田出版/のちに徳間文庫)に寄稿した拙稿を掲載します。20年前に出版された同著書は、活躍分野も性的属性も多種多様な11名の「性技の味方」が、さまざまなセクシュアルプレイについて硬軟取り混ぜた観点からおもしろおかしゅうご紹介する、という趣旨の一冊です。筆者も僭越ながら末席に名を連ねさせていただきました。第一弾は、本書に掲載された項目のうち最もレズレズしいこときわまりないと思われる一本を、お送りします。

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「これぞオンナ同士!」の醍醐味ともいえるプレイが、おたがいの下半身の唇でかわす、ジューシーなキス。「貝合わせ」の異名をほしいままにするこのワザを味わうことなく生きながらえたあかつきには、人生の価値が確実に半減するといわれています。生涯最後の日に後悔しないように、いますぐにでも下着脱ぎ捨て、愛する女性のもとに走りましょう。

さて実践編ですが、「松葉くずし」のスタイルでたがいの両足を交錯させ、小陰唇同士を触れあわせてみます。じっくり刺激しあったあとのずぶ濡れ状態でウエットな感触におぼれるのもいいでしょうが、いきなり前戯抜きで開始してその部分を絡ませあったままおたがいが潤ってゆく過程を楽しむ、というのもオツなもの。相手の片足を胸に抱いてスネに乳房おしつけつつ、欲望のおもむくままに腰をグラインドさせてください。ただ、「松葉」の体勢だとクリトリス同士を刺激しあうのは多少困難ですので、先方の片足を持ち上げたり帆かけ舟の体位を試したりと、さまざまな工夫をこらしてみましょう。俗に上つき・下つきなどと申しますが、相性のよいものだと、みごと(!)に唇同士がフィットして、恋人たちに極上の快楽をもたらす、といわれています。

「いまの彼女とは、いまいちカタチ合わないみたい。きっと運命の二枚貝姫は、遠い海のかなたに……」と、水平線みつめてため息つく必要はありません。ちょっとくらい相性がよくなくても、楽しむ方法はいくらでもあります。

そのひとつ、重なりあうソレらのあいだに指をハサミこむという趣向はいかがでしょう。柔らかい小陰唇のあいだに適度な硬さの指が加わった感触は絶妙、おまけに自由自在に操れるパーツなため、おたがいのオーガズムの調整も容易になります。ビジュアル的にも刺激的ですので、きれいにお手入れした爪にお好みのネイルアートでもほどこせば、いかにも「女同士っ!」な雰囲気が高まって、さらにおいしい貝料理に。

剃毛をほどこしたうえで下半身を絡めあわせるというのも、妙味豊か。敏感な箇所を保護するために生えそろっているパーツをはぎとることで、ただでさえ感度のよい場所の性感が、ますます高まる気がします。片方だけ剃ってタワシプレイ、両方剃りあげロリータ同士、とふたりの好みで選びましょう。

いっそ本物の魚介類を仲間に加えて、も興味深いところ。貝類はコリコリだのシコシコだの、じつに味わいある感触の食物。赤貝でもアワビでもカラス貝でも、好きなシーフードをベッドに連れこんで心ゆくまで乱交気分を、満喫なさってください(異種混合戦でタコやナマコやヒトデも可、クラゲ・イソギンチャクは毒にご注意)。

また、どうしても恋人と「貝」が合わないようなら、現在の関係をきっぱり清算し伝説の真珠貝もとめて七つの海に漕ぎだす、という選択肢も。海賊となって他人のオンナ強奪しまくるなり、撃沈されて幽霊船と化してさまようなり、波瀾万丈の人生を堪能なさってください。

 

(つづく)

 

川西由樹子 / 90年代から女性同士の性について赤裸々に表現しているビアン・ライターの草分け。ビアン雑誌「カーミラ」でも主要ライターとして活躍。著書に『Q式サバイバー』など。