「変態年増のMixBox」その6

『ロウソクプレイ』

今回お届けするのも『Hの革命』(太田出版・のちに徳間文庫)所収の原稿です。ようはSMプレイに用いられるロウソクについてのアレやコレや、となっております。これなら女性同士/男性同士/男女その他(Xジェンダーなど)の組み合わせのプレイにご参照可能ということで、ようやくアデイのサイトに出入りされるお客様ほぼ全員に向けてお送りできる一本になるのでは、とわたし内心、ほっとしております。

「そのテーマがよりによってロウソクプレイって、あんた……」なご意見もございましょうが、夏場は花火やお盆などで、年間で最もロウソクを消費する時節なのではないでしょうか。一種の季節ものということでご笑覧いただけましたら、幸いです。

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気をつけてほしいのは、決してロウソク自体を相手の身体に近づけすぎないこと。ロウが燃焼する炎は非常に高熱ですので、「炙りプレイ」などはもってのほか。プレイ用にあまり高熱を発しないタイプの製品もありますが、炎そのものを身体に近づけるのは基本的に禁じ手です。一メートル以上離れた地点から垂らせば、落下するあいだにロウが冷えるため、ビギナーなあなたでも安心。

使用するロウソクは、赤や黒や紫など、気分を盛り上げてくれそうなものを選んでください。祖母宅の仏壇からくすねてきた白い飾りけのない製品を使用してしまうと、抹香クサいうえにプレイ中に老後の生活設計などの現実問題が頭をかすめる恐れがあるため、避けたほうが賢明です。

また、揺らめく炎に照らされた女体/男体というのも、じつにソソられる光景。「行為に夢中になりすぎてキャンドルスタンド蹴とばし家具に引火して家屋全焼」な事態にさえ注意すれば、プレイ中の間接照明としての使用もおすすめです。

その他の趣向として、「乳拓」はいかがでしょう。乳輪にロウを垂らしまくってカタをとり、恋人同士の記念品とするのです。「墨を塗り、紙に押しつけて」の魚拓方式にくらべて立体的なものとなり、そのぶんぬくもりの感じられる作品に。これさえあれば愛するひとに会えない夜も、淋しくなんかありません。さまざまな色のロウを用いてアートなオブジェの創作に挑戦する、という手もあります。乳首にかぎらずヘソ拓なども悪くありませんが、複雑このうえない地形である耳だの女性器だのには、垂らしこまないほうが無難でしょう。

さらなる上級者向けの課題として、「まぐわった女性/男性全員の乳拓コレクターを目指す」というのも興味深い試みですが、保管場所にはくれぐれもご注意ください。新しい同棲相手や恋人にうっかり発見された日には、ある種の猟奇系犯罪者を見る目を向けられかねません。その場合は、鍵のかかる引き出し・会社のロッカー・銀行の貸し金庫などが、理想的なコレクションルームとなってくれます。

 

(了)

川西由樹子 / 90年代から女性同士の性について赤裸々に表現しているビアン・ライターの草分け。ビアン雑誌「カーミラ」でも主要ライターとして活躍。著書に『Q式サバイバー』など。