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「変態年増のMixBox」その11

ネコポジ・プライド「喘ぎ声」

クンニリングスやらフィンガー・プレイやら、このところやたらと「攻めワザ」ばかりをテーマにしてまいりました、当コーナー。女性同士の世界では、とかくタチ(性的に能動)ポジションを好む方が多い、という傾向があります。これはおそらく、「欲望の赴くままに女体を堪能したい」という、本能的な願望のせいかと思われます。

ですが、リバ(ひっくり返して両面使用可能なリバーシブル=性的に能動・受動両方可能)が全盛の現在(でもやっぱり「タチ寄りリバです」多し)。ネコこと性的に受動なポジションも必要、というかソレができなきゃ性交が成立しない、といった切実な問題を含んでいるのです。

というわけで、今回はネコポジ・プライドを盛り上げるためにも、あえて受け身の取り方、そのなかでも重要なアクションである「喘ぎ声」を取り上げてみることにいたします。

なお、今回も初出は『Hの革命』(太田出版・のちに改題ならびに加筆されて徳間文庫より『H大作戦!』として刊行)です。

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喘ぎ声とは、単に相手の愛撫の結果としてあげるものではなく、「自分がキモチよくなれる部位&ヤリ方を教えるため」という、重要な任務を帯びたメッセンジャー。単純に分類すると、「吐息・軽く声をあげる・パートナーの名を呼ぶ・セリフ・オーガズム時の絶叫・具体的な意思伝達」などがあります。これらを愛撫の進行具合によって巧みに使い分けることで、「この子の声聞いてるだけで、濡れちゃう……」と、受け身ポジションにおける床上手っぷりを印象づけましょう。

とりわけ重要なのが、メリハリをきかせること。最初っから最後まで絶叫のしどおし、は「ヤスいAVの観すぎじゃない?」とうんざりされることウケアイですから、避けたほうが賢明です。顔や首筋などへのキスで吐息を荒らげ、耳たぶや胸に最初の刺激を感じた瞬間軽く声をあげる。さらに愛撫が下半身へと進行していくのにしたがって、相手の名前や「こんなの初めて」「いやっ、意地悪……!」などのセリフを小出しに織り交ぜ、やがて絶頂時のおたけびでシメる。以上はあくまでもほんの一例ですが、ご参考までに。

難しいのは「具体的な意思伝達」パターン。「ソコじゃねえんだよこのド下手クソ!」と内心隔靴掻痒ハラワタ煮えくり返り状況でも、ストレートに本音を口にするのはさすがにためらわれます。一応感じているフリをしつつも、「あん、最高……でも、もうちょい上だと、もっといいかも?」と、雰囲気を損なわないよう細心の注意を払って、注文をつけましょう。

あるいはいっそのこと、隙をついてポジションを入れ替え(下から愛撫、という方法もアリです)、「あたし、こういうのが感じちゃうんだ……」と、パートナーに「あぅん!」と声をあげさせてしまうというのも、上級者へのステップアップと言えます。もちろんそのまま攻守逆転させて、思うがままに相手の肉体を味わいたおすのもよし、です。

とはいえ場合によっては心を鬼にする必要も生じるのが、ベッドという名の格闘技場。パートナーの愛撫があまりにもひとりよがりなものに終始するようなら、思いきって行為の最中に下からケリ入れんばかりの勢いで相手を押しのけ、

「いままでそういうヤリ方で何万人の女の子に感謝されてきたのか知らないけどねえ、あたしにはソレ、ぜんっぜん気持ちよくないからっっ!!」

と毅然とした態度で宣告する勇気を、持ちたいものです。


川西由樹子 / 90年代から女性同士の性について赤裸々に表現しているビアン・ライターの草分け。ビアン雑誌「カーミラ」でも主要ライターとして活躍。著書に『Q式サバイバー』など。