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「あっきー★らっきー水曜日」その21

ラッキーだった?10大ニュース(後編)

 ライブが好きでよく行くんですが、「その場その時」でないと、頭に浮かんでこないことがあります。会場で拳を振り上げながらも、ステージとまったく関係ない考えごとをしていることがあるんです。公演が終わると、その内容はすぐ掻き消えてしまいますが、翌週の別のライブの最中に思い出します。そしてまた、先週の考えごとの続きをやっています(前に集中しろよw)。

 週に1日のアデイも同じで、店にいる時に思ったことは、他の6日はほとんど忘れています。カウンターで「ビンビンきてる状態」を貼り合わせて繋いだら、凄いものを創り出せるかもしれない。ライブもバーも、楽しみたい人が集まった場の力に圧倒されるので、好きです。「その場その時」を謳歌できるのなら、それでいいじゃないか。そう思うのですが、少し物足りないのは、二丁目やアデイは優れた表現者に溢れているからですね。

 というわけで、先週に引き続き、ラッキーだった(かもしれない)10大トピックの後半を書き残します。

■上司が来た

 2019年の年明け、最初に店のドアを開けた人は、僕が勤めていた出版社の上司でした。でも、その方の来店は「やっぱり、予想通りだ!」という感想でした。僕も思うところがあり、その上司への今年の年賀状には初めて店の案内を書いてみたんです。彼は、「会いたい作家がいるなら、今すぐ手紙を書け!」と部下に指導する、昭和を代表する超敏腕な編集者です。もしあのフットワークが健在だったら、僕の年賀状を読んで、すぐに行動を起こすんじゃないか? それは、思った通りでした。仕事も人間も、憧れる存在です。

■鍵忘れた

「マキちゃんが店に来たら、店の鍵がかかってなかったっていうんだけど!?」  ある営業明けの木曜日、伏見グランマからこんな非常を知らせる連絡が。閉店後、鍵をかけ忘れるなんてこと、あるだろうか? 基本中の基本、でも大被害を招きかねない重大なミス。ですが正直なところ、施錠したかは定かではありません。その日の営業は、少人数でシャンパンを何本か空けました。二日酔いで記憶をたどりながら、次第に顔が青ざめていくのを感じました。以後、指差し確認は怠りません!

■二丁目文学

「あれどうなんてんの?案件」をいくつか抱えているのですが、これもひとつです。「二丁目文学の定義って何だ?」「そもそも、そんなことを自分が標榜していいのか?」などなど、面倒くさく考えているうちに、最初に閃いた時の軽快さを失ってしまいました。でもここにきて、二丁目を舞台とする小説を乱読しているんです。グランマやお客様にも作品リサーチをしたら意欲も再燃、新たな可能性を探っているところです。そして改めて、「みんなに作品を書いてもらいたい」と思っております。

■偏愛インタビュー

 これも「忘れた頃にやる」みたいなペースになっていて、せっかく『アデイonline』にコーナーを作っていただいたのに、すみません。でも、インタビューしたい人の候補は、たくさんいるんです。これまで、小説家、写真家と続きましたが、話を聞きたい人に共通する点は、「マイノリティや弱者に光を当て表現する人」ということかもしれないです。こうマイノリティ云々と書くと、ありふれた箱に定まってしまうようで、自分の拙さ故、もどかしいんですが。また好きな人に、会いにいきます。

■ひとびと

 例えば、新宿二丁目でベイビーが生まれて、街の人々が育てたら、どんな人間に仕上がるんでしょうか? 誰か、こんな設定で物語を書いてくれませんか? 法の秩序や世間の倫理から距離がある場(架空です)に身を置き続けたら、まずおかしな大人になるはずです。でもきっと、仲良くなりたいと思う気がします。それはきっと、僕が生き延びる糧とするのは、街の酒と人々、そして会話だからです。僕自身も、どう仕上がるんですかね? これからを楽しみにしています。

 今週、5月15日(水)は「あっきー★らっきーBAR」2周年&AKKY’s BIRTHDAYの営業です。「その場その時」でしか味わえない一夜、お待ち申し上げております!

 

あっきー(水曜担当)

【プロフィール】 1975年埼玉生れ。
出版社に16年間勤務し漫画や小説などの編集に携わったのち、
なし崩し的にフリーに。
NPO法人「企画のたまご屋さん」では、出版プロデューサーを務める。

twitter / @akkyluckybar